お店について・店舗情報
朝はまず、鰹節を削るところからはじまります。
利尻の昆布を前の晩から水に沈めておき、火にかけて、沸く手前で引き上げる。そこへ削りたての鰹を入れて、ひと呼吸おいて濾す。この一番出汁の香りが立たない日は、その日のお椀は出さないことにしています。手間のかかるやり方ですが、出汁が決まればあとは塩をひとつまみで足ります。
器は、益子と信楽の作家さんのものを少しずつ集めてきました。同じ料理でも、白い磁器に盛るのと、粉引の鉢に盛るのとでは、口に運ぶときの気持ちがまるで変わります。季節が進むと器も入れ替えるので、同じお客さまでも前とちがう器でお出しすることになります。
京都の料理屋で十二年、その後に東京で三年。四十をこえてから、この谷中の路地で小さく店をはじめました。カウンター八席と個室がひとつ。目の届く範囲でやっていくのが、いまの自分にはちょうどいいと思っています。